新年あけまして、おめでとうございます。
形成外科・美容外科を担当しております、
匂坂正信です。
昨年は4月末に熊本に戻り、
まずは1回フロアの診察室、処置室、トイレの改装を、
すごいスピードで建築士さん、工事関係者の皆さんに仕上げていただき、
夏には形成外科・美容外科の仕事を始動することができました。
様々な新しい治療を始めたので、スタッフには無理をさせたかと思いますが、
みんなよくついてきてくれて、非常に助かりました。
当院は外科の救急病院から始まり、最近は療養型の病院として
慢性期の疾患の入院治療を行っています。
私の双子の兄である匂坂正孝は、数年前に熊本大学小児外科・移植外科から、
私より先に当院へ移り、新生児の手術や小児、成人の肝移植手術や、術後の新生児・成人のICU管理を専門的に行ってきた経験を活かし、厳密な全身管理を当院に導入しました。ほぼ毎日、心エコーを使いながら、水分管理をしてくれています。
その中で、胃瘻をつくらずに、非侵襲的に経管栄養を行う「鼻からの経管栄養」における、合併症がより少ない方法を模索し、確立致しました。
「新生児・小児」で培って来た経管栄養の工夫を、療養型病院の「ご高齢の患者さま」に適応させることで、「誤嚥性肺炎を起こすリスクが少ない経管栄養管理」が実践できております。
それによって、当院での誤嚥性肺炎での死亡リスクは、この管理方法の導入前後で、明らかに低くなりました(統計学的な有意差あり)。
この取り組みは、学会活動としても発表させていただき、また使用する経管栄養剤についても、企業と協力しながらその発展に尽力しております。
安全に栄養状態を改善していけるということは、私が形成外科で専門としてきた、
難治性潰瘍(糖尿病の足の潰瘍や褥瘡など)の治療に必須である、
タンパク質を充分に体に行きわたらせることが出来るということです。
さらに、当院が慢性期の病院であるといことが幸いし、
治すのに長期的な入院が必要となる難治性創傷の患者さまでも、
私がこれまで働いてきた急性期の病院と違い、
まったく気兼ねなく入院加療を継続し、
治癒まで一緒に診ていくことができるという形となりました。
この2点は非常にありがたいことで、
やってみて初めて気がつきました。
また美容の治療は、これまでは新宿、吉祥寺、表参道、銀座などで、
非常勤として行って参りましたが、
現在は水曜日と日曜日以外は当院で毎日行っています。
美しくする治療は、成果がでると私や患者さまも嬉しいですが、
携わるスタッフも今までにない喜びを感じてくれているようで、
病院に新たな活気が生まれ、嬉しく思っています。
院長も麻酔科、ペインクリニック、整形外科での経験を生かし、
最近提携させていただいた、くどう皮ふ科医院からの帯状疱疹による痛みの患者様の
治療などでも活躍しております。
今更ながら、半導体レーザーによって、痛みの原因となっている神経を、
「ピンポイント」に、「非侵襲的に」治療することの簡便性と効果に驚いています。
やはり麻酔科医として、直接神経に神経ブロック注射を行っていた腕は、
レーザー治療においても活かされるものだなと、感嘆しました。
当院は1924年(大正13年)に開院しましたので、
今年は98年目となります。
100年目の節目である2024年に向かって、
われわれ医療従事者や患者様、
ご家族の方々や地域の方々が、
楽しみになるような病院にしていきたいと考えています。
すでに色んなアイデアがありますので、
楽しみにしていてください。
今年もよろしくお願い申し上げます。
形成外科・美容外科
匂坂正信