2022年5月20日オンラインで当院の経腸栄養に関する研究論文が公開されました。

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DOI: 10.1016/j.nutos.2022.05.004

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本研究では経管栄養中の誤嚥性肺炎の合併をできるだけ抑えることができるように

作成した経管栄養プロトコルをお示ししています。

 

 

<当院の経管栄養プロトコル>

GER:胃食道逆流

DGE:胃排出遅延

 

 

 

 

 

Sakisaka M, et al. Modulation of tube feeding protocol to prevent aspiration pneumonia in gastroesophageal reflux. Clinical Nutrition Open Science 2022;43: 67-77. (一部引用、翻訳後)

 

※DGE(胃排出遅延)に対する緩徐投与では栄養剤1パックを1〜2時間かけて投与。

 

 

 

 

GER(胃食道逆流)タイプ

 

Sakisaka M, et al. Modulation of tube feeding protocol to prevent aspiration pneumonia in gastroesophageal reflux. Clinical Nutrition Open Science 2022;43: 67-77. (一部引用)

 

胃に到達した食事がすぐに食道へ逆流してしまうタイプです(a,b)。

このGERタイプには高粘度の栄養剤が逆流対策に適していると考えられます。

 

 

 

 

 

DGE(胃排出遅延)タイプ

 

Sakisaka M, et al. Modulation of tube feeding protocol to prevent aspiration pneumonia in gastroesophageal reflux. Clinical Nutrition Open Science 2022;43: 67-77. (一部引用)

 

胃に食物が到達しても胃の蠕動運動が始まらず(c)、ついには食道への逆流が生じるタイプです(d)。

投与後遅発性に嘔吐や誤嚥が認められる症例や、栄養剤投与後の胃管開放で栄養剤の胃内残留が多い場合はこちらのタイプを疑います。

このDGEタイプには幽門通過性に優れる栄養製剤の投与が適していると考えられます。

 

 

 

 

 

 

当院プロトコルによって管理を行なった場合では誤嚥性肺炎の合併抑制効果食事の継続性の改善抗生剤使用量の減少について統計学的な有意差を認めています。

 

 

 

 

 

(2022年JSPEN 第37回日本臨床栄養代謝学会発表)

 

 

 

本研究が経管栄養を実施される患者様やその診療に関わる方々の一助となれば幸いです。

 

是非ご一読いただければと存じます。

 

また、何か質問などがございましたら、私までご連絡いただければと思います。

 

サキサカ病院 匂坂正孝(医師、医学博士)