最新の肝斑治療の症例のご紹介はこちらのリンクをご覧ください。
*美容治療のホームページを公開しました。
治療費などについてはこちらをご参照ください。
まず肝斑とは何でしょう、というところですが、
女性ホルモンの乱れによって、メラニンをつくる働きをもつ細胞である、
メラノサイトが頑張り過ぎている状態が原因です。
妊娠やピルの内服を契機に出現することが多いです。
メラノサイトが頑張りすぎる状態では、
特に額や頬骨の上や、顎などの骨が直接触れやすい部分が、
洗顔時などに、ほんの少しのこすれる刺激でも、
炎症後の色素沈着(ニキビで腫れたあとに黒ずむ状態)を招いてしまいます。
それによってくすみが出来た状態が、肝斑となります。
こちらの写真の緑の線で囲んだシミが、肝斑です。
両側性に対称性に出現することが多いですが、
実際は片側性の場合もありますし、様々なパターンがあります。
この、メラニンが作られやすい状態というのが、
かなり厄介で、フォトフェイシャルなどの光治療(IPL)やレーザー治療などを、
何も考えずに当てていると、すぐに肝斑は増悪してしまいます。
レーザー治療の種類は、ピコ、Q-YAG、ルビーなどどれでも、
普通のシミ(老人性色素斑)を治療する出力で当ててしまっていては、
全てにおいて肝斑は増悪します。
そのため、美容治療を行う場合は、この見極めが非常に重要となります。
私は東京では、美容クリニックで月に5回ほど勤務していましたが、
1回の勤務で10~15人のシミ・肝斑の患者さまの診察をすると考えると、
年間約600~900人の方のシミの状態を判断していたことになります。
美容クリニックでは一般的に、フォトフェイシャルなどの光治療は、
看護師さんが当てることが多いですが、
その際、我々医師が肝斑の有無を確認し、光治療を当ててよいか、
判断するわけです。
これを間違えると、せっかく治療に来ていただいている方のシミが増悪してしまうので、
大変重要な判断となります。
そして肝斑であると判断した場合は、私がレーザーを用いて、
「トーニング治療」という、
特殊なレーザーの当て方で肝斑治療を担当する流れになります。
肝斑の治療法は、大きくわけて3つあります。
①飲み薬 トラネキサム酸の内服
②軟膏治療 トラネキサム酸外用薬(TAホワイトクリーム)
③レーザー トーニング治療
④トラネキサム酸のイオン導入
治療法と書きましたが、私の認識では肝斑は「治療できるもの」ではなく、
「抑え込むことができるもの」だと考えています。
肝斑は女性ホルモンの影響を強く受けますので、
閉経まで付き合っていく場合もあります。
長い期間をお付き合いしていく疾患であるからこそ、
私は肝斑治療の費用は低く設定しました。
発症してから肝斑ができなくなるまでの年月を、
肝斑を「抑え込み」、気に病むことなく生活していただくための「対症療法」が、
この後述べる治療法となります。
①内服薬 トラネキサム酸
もともとは抗炎症薬や止血剤として医療の現場で使われてきた薬です。
じんましんの治療として患者さんへ処方したときに、
肝斑の改善にも効果があることが発見され、
2007年に一般用医薬品として新たな効能が認められました。
肝斑は女性ホルモンのバランスの乱れが一つの要因といわれていますが、
このトラネキサム酸は女性ホルモンに直接影響するのではなく、
メラニンをつくり出す「メラノサイト」にはたらきかけ、
メラニンが合成されるのを邪魔することによって、肝斑を改善させます。
ただし、もともとが止血剤であるため、
血を固めやすくする性質によって、下肢の静脈血栓をお持ちの方や、
下肢の静脈瘤をお持ちで、トラネキサム酸内服開始後に
下肢の疼痛が出現したことがある方は、
血栓発症や増悪のリスクとなるため、トラネキサム酸の内服はできません。
また、ピルは肝斑の原因になり得えますし、静脈血栓のリスクでもあります。
そのためピルを内服中の方も、トラネキサム酸を飲むことはできません。
もちろん狭心症や心筋梗塞のリスクをお持ちの方にも処方しません。
②軟膏治療 トレチノイン軟膏+ハイドロキノン軟膏
こちらは以前の記事で説明しておりますので、
ご参照下さい。
ただし、軟膏治療ではほとんどの方が、
トレチノイン軟膏の効果によって、皮膚が数か月間赤くなりますので、
肝斑治療にこれのみで臨むのは、おすすめできません。
現在はトラネキサム酸の外用薬(TAホワイトクリーム)を使用してもらっています。
ダウンタイムを考慮すると、
次で説明するレーザー トーニング治療が最も適切な治療法だと思います。
③レーザー トーニング治療
治療にはQ-YAGレーザーかピコレーザーが使用されています。
当院ではQ-YAGレーザーの肌の引き締め効果もメリットであると考え、
そちらを採用しています。
これは、通常の黒々としたシミ(老人性色素斑)に当てるレーザーの出力よりも、
かなり弱い出力で、分散させながらレーザーを当てていく技術です。
これには2つの治療効果があります。
1つめは、弱いレーザーの出力によって、すぐにメラニンを作りやすくなっているメラノサイトを、
怒らせないで、少しずつメラニンを破壊していく作用です。
もう1つは、トレチノイン軟膏+ハイドロキノン軟膏による、皮膚の新陳代謝を促進する作用を、「緩やかに」誘導する効果があります。
そのため、治療後にはわずかに肌が赤くなりますが、その赤みは翌日にはほとんど残りません。
お化粧も治療直後からしていただくことが出来ます。
ダウンタイムが極めて短い治療と言えます。
こちらの写真の方は、トラネキサム酸の内服ができず、
またビタミンCの化粧水にもかぶれる方であったため、
純粋に「トーニング治療1回分の効果」となります。
肝斑が改善している部分もあれば、
まだ残存している部分もあります。
1回で完全に薄くすることはできないため、
私は5~10回の治療を、1~4週間の間隔で行っています。
この治療では肌のトーンアップも1回の治療で感じることができ、
お化粧の乗りも良くなります。
治療後2日前後で実感されることが多い印象です。
④トラネキサム酸のイオン導入
内服薬でトラネキサム酸を使用できない方も、
皮膚の外からトラネキサム酸を作用させ、
治療の補助を行います。
以上、4つの方法を説明しました。
お悩みの方は、一度ご相談下さい。
ご相談は無料で行っています。
形成外科・美容外科
匂坂正信
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