皮膚腫瘍の一般的な切除方法についてご説明します。
(保険診療です。切除したものを病理検査に提出し、診断をつけることができます。)
次の図のように、丸い腫瘍をそのまま丸く切り取ってしまうと、
傷を縫い合わせた時に、横から見ると両端がピンと立ち上がってしまいます。
そのため、最初からその立ち上がる皮膚の部分を切り取る必要があり、
結果的に、葉っぱのような紡錐形の切除ラインになります。
切除ラインを紡錐形にする必要があるため、
最終的な傷の長さは、「腫瘍の直径の約2~3倍」にならざるを得ないのですが、
我々形成外科医は、できるだけ短い線状の傷に仕上げるため、
様々な工夫をしながら縫合しています。
また、手術を行った後は、1本の線状の傷ができるのは仕方がないのですが、
できるだけ皮膚のシワの線(皮膚割線)に紛れ込ませて、目立たなくなるよう、
線の向きを考えて切除ラインをデザインします。
腫瘍を完全に切り取ることは大前提であり、
後に残る傷を目立ちにくく、きれいにすることが、
本当に患者さまの満足を得られるゴールと考えながら、
手術を行っています。
また、特に顔などの、線状の傷が残ると目立ってしまい、
お化粧でも隠しにくいような部位の場合は、
丸くくり抜いて、そのまま巾着のように、
傷全体を縮めながら縫合することもあります。
患者様の価値観、希望を伺いながら、
治療法を相談させて頂いております。