頬部の凹み(tear trough deformity)を伴ったくまの治療について解説します。
今回は「経結膜眼窩脂肪移動術(裏ハムラ法:裏Hamra法)」と「ヒアルロン酸注入」を組み合わせました。
皮膚側を切開する眼窩脂肪移動術(ハムラ法)の治療は👇で解説しております。
今回は手術としては裏ハムラ法を選択しました。
・手術(裏ハムラ)から5ヶ月後
・ヒアルロン酸注入から1ヶ月後
の写真を、治療前と比較して掲載します。
【治療方針】
こちらが術前の写真です。
くまの下に、点線でマーキングしたような陥凹変形を伴っていましたので、
ここまでは眼窩脂肪はずらして降ろすことはできないため、
裏ハムラ手術の後に、ヒアルロン酸注入を併用する方針として治療を開始しました。
(頬の×印は眼窩下神経の位置です。この神経を超えて下まで脂肪を移動させることは、神経障害のリスクとなりますので行えません。)
皮膚のたるみが少ない目袋型のくまであったため、今回は皮膚側には傷が残らない
裏ハムラを選択しました。
いわゆる目袋型のくまの場合は、手術のみで改善しますが、
今回のように「頬部の陥凹変形」を伴っている場合には、さまざまな治療を組み合わせる必要が出てきます。
【裏ハムラ】
皮膚のたるみが多い場合は、ハムラ法で皮膚の切除も同時に行いますが、
今回は皮膚のたるみが無い状態でしたので、結膜側からアプローチする、いわゆる裏ハムラ法を行いました。
眼窩隔膜という、眼窩脂肪を入れている膜に切開を加え、脂肪を尾側(下の方向)へ移動させ、下まぶたの突出を減らし、そのボリュームでくまを埋めるという、理に適った術式です。
移動させた脂肪は、ほぼ100%が生着しますので、ただ下まぶたの脱脂を行い、体の他の部分から脂肪を採取し、脂肪注入を組み合わせる治療法よりも、確実な方法となります。
裏ハムラ法では、眼輪筋に手術操作が及びませんので、皮膚を切らずに済むという点以外でも、術後の下まぶたの外反(アッカンベー)が起こりにくく、メリットと言えます。
裏Hamra法の場合は、結膜の切開部を溶ける糸で中縫いしますので、抜糸は不要です。
【ヒアルロン酸注入】
手術から4ヶ月後に、ヒアルロン酸注入を行いました。
ボリューマを3ml使用しました。
(表・裏)ハムラ法の術後は2〜3ヶ月で形態が安定してきますので、それ以降にヒアルロン酸の注入を行うようにしています。
複数の治療法を組み合わせる場合は適切なタイミングで治療を追加をしていかないと、最大限の治療効果を出すことはできません。
なんでもオプションと言って、同時に治療を勧められる場合は、ご注意下さい。
【治療経過のまとめ】
こちらの経過をみると、
やはり裏ハムラ手術のみではまだ頬に影ができてしまい、
ヒアルロン酸注入が必要であることが分かります。
【治療費】 麻酔、内服、外用薬含む(税込)
①裏Hamra法(経結膜眼窩脂肪移動術) 412,000円
※モニター価格 329,600円 適応は私が判断させていただきます。
※ミッド・フェイスリフト +55,000円
(こちらの症例では施行していません)
②ヒアルロン酸注入(ボリューマXC 3ml) 165,000円
※モニター価格 30% off 適応は私が判断させていただきます。
【裏ハムラ手術の合併症・注意事項】
・腫れやむくみ 2〜3ヶ月
・下まぶたの外反、ドライアイ
・しびれ、違和感(眼窩下神経支配領域の麻痺)
・複視(下斜筋の損傷:下眼瞼の眼窩脂肪の3つのコンパートメントの、内側と中央の脂肪の間に下斜筋が走行しています)
・tear trough deformityも合併している場合は、術後にグロースファクターやヒアルロン酸の注入を追加する場合があります。→今回ご紹介した症例は、こちらに該当します。
当院では入院して、手術を受けて頂くこともできます。
ご相談のみは無料ですので、
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美容外科・形成外科
匂坂正信