サーマニードルやシルファームに代表されるニードルRF(ラジオ波)治療によって、 
肝斑の根本的な治療が近年可能になってきました。 

これまでの肝斑治療の、メラニンを「破壊する」治療から、
過剰なメラニン合成環境を「修復する」治療へとシフトする、
革新的な出来事です。

2014年から2023年までの10年間の世界中の肝斑治療に関する報告をまとめた論文でも、
このニードルRFという治療法はブレークスルーであると位置づけられています。

われわれはまさに、肝斑治療のパラダイムシフトに直面していることになります。


 

 

ニードルRFによる肝斑治療の作用機序を今回まとめました。





私がKey Opinion Leaderを務めさせていただいている、
K.O. tech社のウェビナーで講演した内容も含まれています。




①老化した線維芽細胞を除去


紫外線や可視光線によって真皮の線維芽細胞はダメージを受け、老化します。
そしてstem cell factor(SCF)やsFRP2を介してメラノサイトを過剰に刺激し、メラニン合成を活性化してしまいます。

ニードルRF治療はこの老化した線維芽細胞を有意に減らし、
メラニン合成が過剰になっている状態を是正すことが報告されています。


②破壊された基底膜の修復

 

紫外線(主にUVA)によって基底膜が破壊されて、肝斑病変部では23%が基底膜が欠損、
70%が弛緩してメラノサイトが真皮に下垂していた報告があります(n=24)。

下垂して真皮内に落ち込んだメラノサイトは過剰なメラニン合成を行いってしまい、
さらには真皮内にもメラニンの蓄積が確認されています。

下垂したメラノサイトは何も治療をしないと、4年後にも下垂した状態であることが確認されています。


また基底膜の破壊や、メラノサイトの真皮での増加は、
「老人性色素斑点(いわゆるシミ)」でも確認されています。

ニードルRFはさまざまな病態を是正する治療である可能性があります。


③メラノサイトの機能回復

 

ニードルRFには、上記の破壊され弛緩した基底膜を修復する効果があります。

その結果、下垂したメラノサイトは正常な位置に戻り、
正しいメラニン合成環境をつくり直すことができると考えられています。

この基底膜の緩みを改善する時に、短期的に現れる肌の引き締めや
小ジワ改善効果が生じるのではないかと、今の所は推察しております。

治療後12ヶ月後からは通常のコラーゲン合成促進効果によって、
肌のタイトニング、シワの改善、毛穴の改善が認められます。





【症例の解説】

サーマニードル肝斑モード 4回完遂の結果

 



こちらの症例は1ヶ月に1回のペースで、4回施行しました。
 エクソソームとダームエデンProの導入を毎回用いており、無麻酔で治療できました。
 トラネキサム酸の内服は無しです。

肝斑特有の「眼窩を縁取る対称性の色素沈着」が明らかに改善し、
肌色・肌質が健康的で綺麗になりました。

肝斑の改善と、コラーゲン合成も同時に行うことができる相乗効果です。

また本来は引き締め効果を求める強さのRF照射ではありませんでしたが、
4回の治療を通して、頬のタイトニング効果が現れました。





【治療費】

当院ではサーマニードル肝斑モードによる肝斑治療は4回の施行を推奨しています。

4回の治療費は総額278,600円(税込)となります。

※サーマニードル初回お試し+3回コースの場合
 エクソソームとダームエデンProの導入液の費用を含んだ金額です。
※別途、初診料(4,500円)や再診料(1,500円)がかかります。

論文的には3〜5回で、老化した線維芽細胞を有意に減少させた報告がありますので、
それを参考にしています。

 

初回お試し(全顔 ) 49,600円

1回(全顔 ) 62,000円

3回コース 167,400円(10%オフ) 期限12ヶ月

5回コース 248,000円(20%オフ) 期限18ヶ月

(導入液オプション)

・【エクソソーム】    +11,000円

・【ダームエデンPro】  +11,000円

・【エクソソーム+ダームエデンPro 】+15,400円

instagramで施術動画を見る



サーマニードル設定は針0.3mm、30ms照射、RF1。

治療中は微細な針がトンッと治療部位に当たりますが、無麻酔でも痛みはほとんど感じません。

痛みに敏感な方には麻酔クリームの使用もできますので、遠慮無くご相談ください。



また、他のニードルRF治療で効果が感じられなかった方にも、
サーマニードルの肝斑モードでは効果が期待できます。
モノポーラー型でかつ、0.3mmという基底膜を狙うことが可能な
短い針の深度が設定できるのは、現行の機器ではサーマニードルしか存在しないからです。

治療後は数時間で赤みは改善するため、ダウンタイムはほぼない治療であると考えられます。

肌に微細な穴が開いておりますので、治療当日はスキンケアとメイクは念のためお控えください。

翌朝からはいつも通りのスキンケアに戻られて大丈夫です。

【副作用・合併症】

内出血、腫れ、むくみ、熱傷、湿疹、膨疹など



【肝斑予防に】


①ヘリオケア

飲む日焼け止め「ヘリオケア」にはUVAからの防御作用が報告されています。

UVAから基底膜を守るために、1日1錠の服用をお勧めしています。

1箱 30錠 7,700円(税込)




②ダームエデン

サーマニードルの治療時のブースターとしても用いているダームエデンのシリーズの化粧水です。
5%のトラネキサム酸が過剰なメラニン合成をストップします。

文献的には2%以上のトラネキサム酸の外用は、Stem Cell Factor(SCF)による過剰なメラニン合成に
ブレーキをかけてくれることが報告されています。

1箱(3本入り)約3ヶ月分 16,500円(税込み)



③マリーニフェイスクリーム(Jan MARINI)
 (トランスフォーメーション・フェイス・クリーム)

Jan MARINI社が世界で初めて美容商品に導入したTGFβ-1が、
直接的にMITFの働きを抑制することにより、過剰なメラニン合成を防ぎます。
その他にも特許取得成分のチモシンβ-4が、肝斑の原因となる慢性炎症をおさえ、
細胞の保護・修復・再生を促します。

1個 18,700円(税込み)

*お試しサイズのミニサイズも発売されました。こちらは1個 660円(税込み)






当院では化粧水としてダームエデンを、
美容クリームとしてはJan MARINIのマリーニ・フェイスクリームの
組み合わせ使用を推奨しています。



文責 形成外科・美容外科 匂坂正信


①未承認医薬品等の使用・国内の承認医薬品等の有無について
 当院で使用していますサーマジェン(本体)、ハンドピース、ニードルは、 
 日本国薬機法上の医療機器として認証・承認を得ていない機器です。 
 同等の効果を持つ医療機器が国内に存在しないため、当院が厳選の上、個人輸入をしております。
 未承認医療機器であるため、 万が一使用後に違和感等ございましたら、すぐにご連絡をお願いします。

②国内の承認医薬品等の有無
 国内において同等の性能を有する医療機器はありません。

③入手経路について
 当院で使用しているサーマジェンは、K.O.tech社が設計した製品を医師が個人輸入したものです。

④諸外国における安全性等の情報
 海外での施術がないため、海外データはありらません。 
 リスクとしましては、赤み、熱傷、腫れ、むくみ、痂皮、水疱などが予想されます。

⑤医薬品副作用被害救済制度について
 万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。