くまに対して脱脂術を選択した場合は、
凹みすぎるリスクがあります。
眼窩脂肪移動術(ハムラ法)や経結膜眼窩脂肪移動術(裏ハムラ法)を行える医師が、
「あなたのくまは脱脂術でよい」と判断してくれたのであれば、
それも良い選択かもしれませんが、
ハムラ法を行う技術を持たない医師が、安易に脱脂術を提案する場合もあります。
今回は他院で脱脂術を施行された結果、凹んだくまが残り、
それに対しては脂肪注入を行われたようですが、生着せずに凹みが残った症例の、
当院でのリカバリー方法について御説明します。
まず当院初診時の脱脂後の写真と、
当院での治療を経た後の写真とを並べます。
以下に治療経過を記載していきます。
まず他院脱脂術後の状態です。
眼窩脂肪を切除され、凹んだ状態となっています。
こちらの症例では、まずグロースファクターの注入とJan MARINIのアイジェル(レチノールがマイルドに作用)を用いて、「コラーゲンの増生」によるボリュームアップを図りました。
約1年後の状態が次の写真です。
皮下にコラーゲンの増生を行っても、凹んだくまのボリュームアップのパワーには限界があります。
そのためヒアルロン酸注入を組み合わせました。
まずDr. De Maioが開発したMD codeに則り、Ttにボルベラを注入します。
これによって本来は眼窩脂肪移動術によって、眼窩脂肪を充填するはずだった
部位のボリュームをある程度補填することができます。
ただし、骨上に注入したボルベラによって、眼輪筋が前方へ押し出され、
皮膚から透見される「青ぐま」が目立つことがあります。
そこで活躍するのが、私は「ボライト」だと考えます。
皮下組織のボリュームをつくって眼輪筋が透けないようにし、
かつ凹みの充填もできるボライト。最近発売された優れもの。
最大の利点は、皮下の浅い層に入れても「チンダル現象(ヒアルロン酸が透けて青く見える現象)」を招かないという点です。
この組み合わせによって、かなりの脱脂後の凹んだくまの治療が可能だと考えています。
治療のまとめです👇
初めてのくま治療の場合は、これにボリューマを用いた
通常のMD codeに沿ったヒアルロン酸治療を施行します。
お困りの方は一度ご相談ください。
美容外科・形成外科 医学博士
匂坂正信