皆さま、あけましておめでとうございます。
今年は昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症に対する対策から年が明けました。
熊本におきましては、インフルエンザ感染症については感染症発生動向調査では最新の発表で患者報告数はゼロでありました。
これは市民の皆さまの不断の感染対策や予防接種の徹底によるものと推察されます。
また、ウイルス感染症ではウイルス干渉(interference)という現象が報告されており、これはある種のウイルスが流行の主体となっている場合に、別のウイルスが宿主(ヒト)に感染しようとしても、宿主細胞がすでに感染されていると後者のウイルス侵入が阻まれてしまうという現象です(Janeway’s immunobiology 免疫生物学より)。
今回の新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスとの間に、このウイルス干渉が働いているかどうかは現時点では定かではありませんが、この年末年始の新型コロナウイルス感染の拡大は看過できないものとなっています。
我々医療従事者としては、まず自らがウイルスにかからないことを第一とし、第二に人にうつさない、患者様に伝播させないことを徹底して行って参ります。
また、入院患者様の御家族様には面会制限に御協力頂き、誠に有難うございます。
日本において新型コロナウイルスの予防接種が確立するまでは今しばらく時間がかかります。
しかし、令和3年1月6日のニュースで、国立感染症研究所が新型コロナウイルスの変異株の分離、培養に成功との報告がありました。
このことにより、変異型に対するワクチン効果の検証実験がさらに進むことが予想され、日本の感染対策の向上に寄与すると考えられます。
患者様のことで御不明な点がございましたら、何卒わたくしまでお尋ね下さいますようお願い申し上げます。
本年も皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
サキサカ病院
匂坂正孝 (医師・医学博士)