残暑厳しい日々が続き、気候の変動を肌で感じています。

適切な水分補給、電解質の補充が必要ですので、ご心配な方はご相談下さればと思います。

 

 

 

 

さて、当院では職場のスタッフの健康管理を目的としたトータルヘルスプロモーションを進めています。

ローマ字表記の頭文字をとってTHPと略されたりもしますが、この概念、簡単に申しますと

「健康寿命を延ばすため、日頃の生活習慣、運動習慣、食生活から見直しを行い、生活習慣病の予防に努める」というふうに意訳できます。

 

日本人の死因では死亡診断書をもとに作成された統計データではがん、心疾患、脳血管疾患が上位を占めます。これら死因となる疾患にかかりにくい身体を作るためには、どういう予防策が考えられるでしょうか。

 

一つは喫煙を控えることです。喫煙のリスクは糖尿病や脂質代謝異常症(高脂血症)、高血圧に比べて2倍とも言われています。喫煙習慣のある方は、禁煙を行うことが健康寿命を延ばす第一選択とも言えます。

 

上記に記した血管性疾患に関しては、いかに動脈硬化、血栓形成を防ぐか、血管ストレスを減らすかが焦点になって来ると思われます。高血糖や中性脂肪・LDLコレステロール濃度の高い血管内環境をいかに改善するかといえば、一つは食生活の改善があります。

そして運動療法です。

 

内臓脂肪と呼ばれる腸間膜の脂肪を落とすことで高血糖、高脂血症を予防するという観点から、腹囲を男性なら85cm、女性では90cm以下に維持することが目標として掲げられて来ました。

この内臓脂肪や皮下脂肪を運動で落とし、さらに筋肉量の増加により基礎代謝を向上して

脂肪が付きにくく、カロリーを消費しやすい身体を作ることが大事なのです。

 

当院では、運動療法の面で職員の健康管理の後押しをするため、トレーニング機材をいくつか設置して休憩時間や仕事終わりに運動ができるような環境を整備しています。

 

運動に関しては、連続した長時間の運動と短時間でも1日に3回ほど分けて運動するのとでは、LDLコレステロール値の改善に差はないという報告があります。

 

そのため、朝いちばんと休憩時間、夕方退社時間の合計3回、簡単な運動をするだけでも効果が期待できるのです。

 

実際、この取り組みを始めてみての感想ですが、職員のみなさんは楽しく体を動かしておられます。運動自体にストレスを発散する効果もありますし、昨日より今日、できるようになるという達成感は精神的にもプラスになるようです。

 

健康寿命のためにはもちろん、ハツラツとした生活のために、今後もトータルヘルスプロモーションを進めていこうと思います。

ご興味のある方には内容をまとめたプリントをお配りしていますので、お声かけ下さい。